烏龍茶

ライフスタイルをシンプルに整える

シンプルな生き方を模索し、目の前の幸せを大切にしていきたい。そんな私の願望をブログにしました。ミニマリストを参考にしています。

富士登山。【山男】の優しさに触れる  

9月2日。友人と2人で富士登山へ行ってきた。私は今回で2回目の富士登山だが、友人は初めての富士登山になる。3日前くらいから登山ルートについて話し合った。須走ルートに決まった。前回、私が富士宮ルートを登っていること、比較的難易度の低いコースであることの2つの理由から決定した。


前日の9月1日、始発に備えて早めに布団に入る。しかし、眠れない。小学生の頃の遠足前のような。結局、2時間ほどしか眠れなかった。4時に起床。作り置きしておいた炊き込みご飯を、アルミホイルでまん丸に握る。自分で作ったおにぎりを、富士山頂で食べてやるんだ。そんな思惑から、おにぎりを3つ作った。諸々の準備を済ませ、4時40分に家を出た。


友人とは、住んでいる地域が違うためどこかの駅で合流する予定だった。LINEで話し合った結果、国府津駅で集合することに。須走ルートへのアクセスには、御殿場駅から出ているバスが必要だ。そして、御殿場駅国府津駅から1本でいける。国府津駅御殿場駅、バス、須走ルート登山口。流れが決まった。私のほうが国府津駅に早く着いた。友人が国府津駅に到着するまで、20分ほどある。時間もあるし、御殿場駅ではゆっくりする時間もなかったため、国府津駅ニューデイズで食料を買った。友人も国府津駅に到着。御殿場駅へ出発した。


御殿場駅に到着し、改札を出る。予定では、バスの切符を買い、須走ルート登山口行へのバスに乗り込む、という流れだった。ここで、アクシデントが起こる。須走ルート登山口へのバスが非常に混んでいる。切符の販売所も、混んでいる。案の定、私たちは予定していたバスに乗れなかった。切符を買おうと並んでいる間に、バスの運転手が満員です、乗れませんと切符の販売員に伝えてきた。友人と頭を抱える。私たちは日帰りのつもりできていた。次の須走ルート登山口行のバスを待っていたら、時間が遅すぎる。御殿場駅からは、御殿場ルート登山口行のバスも出ていた。しかも、いますぐ出発とのアナウンス。バスの車内は空いていた。仕方ない。御殿場ルート登山口行のバスの往復券を買い、私たちはバスへ乗り込んだ


須走ルートのはずが、御殿場ルートへ変更。イレギュラーが発生したが、富士登山には変わりがない。わくわくした気持ちでバスに揺られる。バスは30分ほどで登山口へ到着した。思ったよりも登山口への到着が早い。それもそのはずだった。何故なら、御殿場ルート登山口の標高は、1440mしかない。前回私が登った富士宮登山口の標高は、2440m。標高が1kmも違うのだ。早くついて当然だった。


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御殿場ルート登山口は、思っていたよりも閑散としていた。プレハブのような小屋が3つほどあちらこちらに建っている。記念撮影をし、登山届を書き、ベンチで少し話していた。友人は風邪を引いていた。高所順応を念入りにしなければ、すぐに高山病にかかってしまう恐れがあった。1時間ほど滞在し、私たちは富士山を登り始めた。


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ざくざくと歩みを進める。緑はない道のり。前回の富士宮もそうだったが、御殿場ルートも緑がなかった。富士山とはそういうものなのか。地面も土というよりは、砂利だ。黙々と上る友人。景色が最高にきれいだった。そう思える余裕が、まだあった。


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登っていると、次第に地面が上手く踏みしめられなくなってきた。砂利の粒が細かくなり、踏みしめても足が沈んでしまうからだ。しかも、勾配が異常にきついように感じる。写真ではあまり伝わらないが、かなりきつい勾配だった。


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おかしくないか。足は沈んで進まないし、勾配は四つん這いになったほうがマシなんじゃないかと思うほど辛い。4歩進んでも、1歩分くらいはずり落ちてしまう。そんな疑問を抱えながら登っていると、下ってきた2人の若者が、私たちに話しかけてきた。もしかして、登っているんですか?そう、若者の1人が尋ねてきた。見て分からないのか、必死になって登っているだろうと内心で思いながら、そうですと答えると、まさかの答えが返ってきた。ここは、下山ルートであって、登る道じゃないですよ。大砂走と言って、下山に使うルートなんです。このままいくと、大変ですよ。なんということだ。私たちは、いつの間にか道を間違えていた。道理で登りづらいわけだ。言われてみれば、周囲に登っている人がいない。教えてくれた若者2人にお礼を言い、私たちは登山ルートへ戻った。


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途中、道を間違えるというアクシデントがあったものの、何とか新6合目までたどり着いた。少し霧がかかっている。看板の数字を見るとわかるのだが、新6合目の標高は2590m。5合目からの標高差は1kmもある。そんな標高差故か、1号分とはいえ、疲労が溜まっていた。


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ここからは道を間違えるということもなく、順調に登っていった。6合目と標高3000mの標識。砂利が細かい道も新6合目あたりで終わった。踏みしめやすい土になり、登りやすくなっていた。


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無事、7合目に到着。7合目で少し長めに休憩を取った。自宅から持ってきたおにぎりと、7合目名物の埋蔵金どら焼きを食べる。最高だ。雲よりも高い場所。最高のロケーションで食べるおにぎりがこんなに美味いなんて。7合目で、あるおじさんと出会う。休憩しているところに、話しかけてくれた。どこから来たのか。何できたのか。日帰りなのか。雑談をした。私たちはバスで来ていたが、帰りのバスに不安があった。最終のバスが18時だったのだ。急いでもぎりぎりの時間になる。それこそ、頂上でゆっくりなんてしていられない。そうおじさんに話すと、帰り、俺の車に乗っけてってやるよ。そう言ってくれた。なんてという優しさだろうか。出会って5分の若者二人に、そんなことを言ってくれるなんて。おじさんにありがとうございますと伝え、私たちはおじさんより先に7合目を出発した。


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7合目から頂上までは、割と近いらしかった。おじさんの話によれば、御殿場ルートは7合目までが辛いらしい。後はあっという間だと。確かに、7合目以降は地面も固まっていて登りやすく、登山がしやすかった。8合目の写真。ここからは、頂上も見えていたと思う。


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ここで、友人の体調が少し悪くなる。もともと風邪を引いていたこと、比較的険しい御殿場ルートへの変更、初めての富士山、また、時間的に余裕がなかったことから、5合目から6合目まで少し早いペースで登ってきていたこともあり、体力が尽きそうになっていた。私は2回目の富士登山であったため、ある程度ペースが把握できていた。体力は残っている。休みを入れながら、頂上を目指す。


頂上の鳥居が見えてきた。頂上前のつづら折りに苦戦する。登っても登っても、見えている鳥居が近づいてくれない。何度もつづらに道を折れた。しかし、登っていくにつれて、ゆっくりだが確実に、遠く見えていた鳥居が近くなってくる。頂上にいるであろう人の声も聞こえてくる。ようやく、到着した。富士山登頂


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登頂すると、話しかけてくれたおじさんが手を振ってくれていた。駆け寄る。いつの間にか抜かされていたようだった。おじさんと話しながら、頂上の景色を楽しむ。感動的だ。頂上からの景色は格別に感じる。9合目や8合目とそこまで景色そのものは変わっていないが、頂上というだけで何か違う。記念撮影。雲がきれいだ。わたがしのような。


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ここで、おじさんが食べ物を分けてくれた。私たちはあまり食料を持ってきていなかった。持参したおにぎりも、食べ終わってしまっていた。特に、私はもう何も持っていなかった。友人は少しだが、食糧を残していた。富士山では、食べ物は必須だよ。余るくらい持ってきたほうがいい。おじさんはそういうと、私たちにチョコチップのスティックパンをくれた。美味い。優しさもこもっているおかげか、今まで食べたチョコチップのパンで一番うまかった。


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おじさんに案内をしてもらい、剣が峰を目指すことにした。前回、剣が峰には行けていない。雨と風がひどく、頂上はすぐに降りてしまった。剣が峰までは30分ほど。道中の景色も最高だ。


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剣が峰登頂。日本で一番高い場所だ。何となく神秘的。私がタッチしている場所が、日本で最も標高の高いところだ。赤く印が付いていて、5円玉が沢山置かれている。おじさんに、今日本一だよと言われた。


剣が峰を降り、下山することにした。おじさんとともに。富士宮でもそうだったが、下山はあっという間だ。しかも今回はおじさんがついていてくれている。道中聞いたのだが、おじさんは今回で富士登山98回目らしい。凄い。おじさんは謙遜していたが、初めての友人と2回目の私からすれば、言葉は悪いが怪物のようなものだ。おじさんについていく形で、ぐんぐん下山していく。


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7合目付近での友人。私的には、今回のベストショットはこの写真だ。下の世界では、撮れない。


あっという間に6合目まで降りると、大砂走がまっていた。大砂走。それは、御殿場ルート名物の下山ルートで、私たちが間違えて登ってきてしまっていたルートだ。砂利が細かくなり、1歩進む度に足が20センチほど沈む。砂利だけどふかふか。そう表現しても、間違いではない。宝永山から下るルートが大砂走にあたる。私たちは、大砂走に足を踏み入れた。


1歩進むたびに、足がずりゅっと沈む。勾配もそこそこあるため、重力に任せて滑り降りるような。おじさんの話によると、大砂走を駆けて下る競技があるらしい。そして、その選手は下っているときはボルトよりも速いとか。ボルトよりも速く下れる。本当なのだろうか。私は、このふかふかの大砂走を駆け下りてみた。凄い。足の回転が止まらない。海の上を走っているような。ふかふかのおかげか、足への負担が少ない。重力もあり、とんでもないスピードが出る。思わず、気持ちいいと叫んだ。転んでもいたくない。最高に楽しい。友人とおじさんを置き去りにし、子供のようにはしゃいで駆け下りた。自転車と同じで、下りはボーナスステージだった。


大砂走はかなり長く続いた。下り始めは少し日が出ていたが、次第に辺りが暗くなってくる。標高2000m付近。霧が現れ始める。ふかふかの道はまだ続いていたが、所々硬い地面があった。駆け下りることは危険だった。おじさんと友人と3人で固まって下山していく。標高1800m付近。3m先が霧で見えなくなる


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写真では分かりにくいが、本当に前が見えない。おじさんが貸してくれたライトがあるおかげで、足下はなんとか見えているが、その先は濃霧で何も見えない。人生で初めての体験だった。帰るべき方向もわからなくなりそうな感覚。自分の体すらも、よく見えない。ライトで辺りを照らしても、大砂走の砂利が黒く照らされるだけだった。濃霧の灰色と、大砂走の黒色しか見えない。おそらく、友人と2人だけでは下山出来なかったと思う。おじさんは見えなくてもある程度分かると言っていた。本当に、おじさんがいなければ遭難していた


チラチラと光が見え始めた。5合目の山小屋の明かりだ。本当に長かった。山小屋に到着した頃には濃霧も晴れていた。驚いたことに、体が濡れていた。雨も降っていないのに。濃霧で濡れたらしい。幸いにもマウンテンパーカを着ていたため、体が冷えてしまうことは無かったが、もし半袖のままでいたとしたら、濃霧で体温を奪われていたと思う。富士山では何が起こるか分からない。本当に装備の大切さを学んだ。


5合目に到着し、休憩もそこそこにおじさんの車が停まっている駐車場まで歩く。時刻は19:40。もちろんバスは無い。おじさんの車に乗せていただいた。大きなボックスカー。3人で横並びになった。三島駅まで送っていただけることに。帰りの車内で、おじさんは、富士山では色んな人に出会うと言っていた。500〜1000回くらい登っている人もいるし、2時間くらいで登って下ってしまう人もいる、富士山で何度も会うから、友達になったりね。Facebookを交換することもある。山小屋の主人も友達なんだ。富士山で久しぶりに会ったりすると、何で富士山に来てなかったの?と聞かれる始末だよ。笑っちゃうよね、富士山にいるのが普通のようになってる。それを聞いて、世の中は本当に広い、想像もつかないようなことをしている人が、知らない場所に沢山いるんだと思った三島駅に到着。おじさんは伊豆に住んでいるそうで、三島駅から30分くらいで帰れるとのこと。最後に、おじさんと連絡先を交換し、住所を教えてもらった。いつか、お中元のような形でお礼をしたいと思ったからだ。伝え切れない感謝をおじさんに伝え、三島駅で降りた。おじさんを見送り、私たちの富士登山は幕を閉じた。


今回、急遽決まった富士登山だが、とても楽しかった。やはり山は良い。心が落ち着く。もちろん、反省しなければいけないことも沢山ある。装備が甘かったこと、食糧が少なすぎたこと、登るルートと自分の実力の見極めが出来ていなかったこと。おじさんと出会ったことで、気付いたことや感じたことがいっぱいだった。装備についてもそうだし、世の中には色んな人がいること。先人たちは、思っているよりも凄かった。おじさんも謙遜していたが、おじさんから本当に沢山学ばせてもらった。これだけ収穫のある登山になったのだから、次に登るときは、もっと良い登山に出来るはず。また来ようと思う。しっかりとした装備で。


山男の優しさに触れることの出来た富士登山だった。